渡部豪太『ひとことエシカル #1』

「あ」という気づきと「うん」という納得。様々な商品や話題を通じてエシカルをテーマとした情報発信を行っている”あうんエシカル百科店”。
普段は編集部からの情報発信が殆どですが、エシカルというキーワードを通じて繋がった方々からの「あ・うん」体験も発信していきます。
様々な方々の「あ・うん」体験を文章と写真でご紹介するこの企画。第一弾は、テレビ番組「あうんエシカル百科店」にも出演してくださった渡部豪太さんです。

「あっ」という気づき

以前カナダ人の友達に手ぬぐいをプレゼントした時、彼はとても喜んで毎日使ってくれた。その彼がある時普通に手ぬぐいで鼻を「ちーん」とかんだのを見て、びっくりしたと同時に「なんかかっこいいな」「粋だな」と思った。自分より手ぬぐいを使いこなしているようだった。鼻をかんだ手ぬぐいを水で洗えば何事もなかったかのように元に戻る事も知った。彼の行動が私の手ぬぐいの価値をより広げてくれた。

「うん」という納得

その頃から手ぬぐいは自分の生活の中でなくてはならないものとなった。銭湯や温泉もこれ一つで行ける。拭く以外にもさっと包んだり、巻いたり。そもそも昔の日本ではこれが普通だった。「使い捨て」が主流になって、使われなくなってしまった昔の道具が沢山あるということも知った。それらを取り巻く日本古来の生活様式にも興味を持った。

カナダ人の友達の行動が「水」となり、私の中の「エシカルの種」が芽吹いた。そんな瞬間だったように思う。一つのものを大事に使う。「エシカル」とは、本来、意図せずとも生活のなかにあり、意識を向けることで身近な存在になるものではないか。